I LOVE YOUが聴きたくて
青春
「意外だね。泉、けっこう、情報早いのに。最近、試験勉強で缶詰してたからだよ。ひとり抜け駆け~」
「えー?」
眉の下がる泉を見て、綾は、微笑む。
そして、心でそっと、思っていた。。

【泉は、美咲 怜樹のファンなんだよなぁ。ファンの泉も知らない、私だけが知ってる秘密。今日は、怜樹さんの恋の相手、魅麗さんのお店のオープンの日。泉が、知ったら驚くよぉ。びっくりしすぎちゃって、顎が外れちゃうかも。それと同時に、かなり喜ぶだろうなぁ。教えてあげたいけど、言えない…な】
綾は、魅麗の事を、察していた。

「私も行きたぁい」
「え?行けるの?家庭教師は?」
綾は、目を丸くした。
「今日は、無し!」
泉は、目を輝かせて言う。
「そっか!じゃあ、行こう!」
「うん!あ、ねぇ行く?」
泉は、他の友人に尋ねる。
「うん、行きた~い」
「行こう」
「私は、今日は無理」
「そっか。じゃあ、今度行こうね」
「うん」


「バイバ~イ」
「バイバ~イ」

それぞれに分かれ、綾達は、学校を後にした。


ひとりの男子は、学校を後にする綾を、なんとなく目で追う。
そして、また、仲間達と、他愛もない話をしていた。

綾の様子を、何気無く見ていた男子がいた事など、綾は、知らないのであった。

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