法螺吹きテラー


……そしてチーム決めの結果、
俺は先輩と、同じ1年の南葉(なんば)と一緒になった。



「……先輩、重いです」

スタートしてすぐ、
何故だか俺は先輩に、
背中に伸し掛かられていた。


「知ってるか?
夜に校内をうろついていると、
背中に誰かが貼りついて来るらしい。

それを回避するためには、
先に何かを背負っていればいいんだよ。
だから我慢しなさい」

「なんですかそれ」

「まあ、嘘なんだけど」

やっぱりいつもの、その言葉。

さっさと離れてくれないだろうか。
暑いし重い。



「……仲良いですね」

そんな俺らの5歩後ろを、
南葉は遠い目をして歩いている。

自分にとばっちりを受けない為だろう。



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