法螺吹きテラー


「普段、皆校舎内の電話を使うから、
滅多にあそこは使われてないだろ?

だけど使われないのには、
他にも理由があるんだよ」


「理由……?」


多分、その先はいつものような怪談話。


しかし続きを口にする事は無く、
理由は解らないまま、更衣室に辿り着き、
そのまま部活が始まった。


……珍しく、
今日の柔軟中には
先輩は怪談話をしてこなかった。



だけどその代り、
想像力をかき立たせる痛い話が。


「想像してごらんよ、佐野君。
薄い紙を目の高さまで持ち上げて……」

「やめてください!」


これはこれで、怖い。


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