SWEET BUTTERFLY

エピソード9



あれから数日

小関君から届く「会いたい」のメールを何度、見ないフリをしただろう…


早く早く…


諦めてくれればいい。


刹那に願う度に軋む心が痛くて


殆ど知らない彼の事を勝手に思い出しては


夢の中で彼に触れて

朝になればその虚しさでいつも気持ちは曇り空だった。



「ママぁ、今日もパパのお見舞いに行くの?」


「今日はねお見舞いじゃないの。今日からパパ、お家に帰れるの。」


「えっ?!ほんと?!なんで?!」


「お医者さんがね、もうケガが治ったって言ってくれたんだよ。」


「やったぁ!!」


鼻歌を歌いながら小躍りする千歌を抱き上げて急いで病院に向かう。


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