私、篠原 咲子(シノハラ サキコ)、19歳。先週、たった一人の肉親である母親が死んでしまって、天涯孤独になってしまった。

 母の死をきっかけに、私は短大も辞めた。だって、そんな無駄なお金なんてない。これから先、どうすればいいのかも、私には分からないのだから。

 うちの家は、お金持ちでもなく、生活は中の下くらい。借金なんてないけど、母親が生命保険に入っていてくれたわけでもなわけで、貯金だってありゃしない。

 家中探し回ってかき集めた全財産も、笑えるくらいの少額で、そんなもの、すぐにソコをつくことくらい簡単に予想できる。

 生き抜く為に。なんとか働き口を見つけないと……。

 もう19歳。が、たかが19歳。持っている資格も英検、漢検、そんなもの。働ける資格なんて、持ってない。

 「これからどうするのよ……」

 私はコンビニの駐車場で、座り込んで、思わず呟いた。その声は力ない。今は、夏。世間の学生たちは夏休みの真っ最中で、バイトも人手が足りているのか、なかなか採用してもらえない。

 財布の中を、覗くと悲しいかな。すぐに底をつくどころか、もう崖っぷちの財布の中身に、溜息が出る。

 

この作品のキーワード
長編  シリアス  社長  身分差  メイド  プロポーズ  ビー玉  年の差  甘切  遺言 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。