えっと……。どうして、こんな事になっているのか、私。全く、分かりません。

 シーンと静かなリビングに、笑顔なのに怖い都筑さんと、その前に正座で座る、私と、幸人君。

 私が部屋で幸人君と話していた事を、戸を開け知った都筑さんは、「こっちにきて、2人とも座りなさい」と、静かに笑った。

 冷笑と言うか、まぁその笑顔にヒンヤリしてしまって、私も幸人君も素直に従い、今ココに座っているのである。



 「2人とも、どうして座らされてるか分かりますか?」

 沈黙を破り、都筑さんがそう問いかけた。私も、幸人君もシンクロするように首を横に振る。

 それを見るなり、都筑さんは溜息を軽く付き、続けた。

 「まず、幸人。女性の部屋に気軽に入るもんじゃないよ。それに、ベットの上に座るなんて、褒められたものじゃない」

 「でも、兄貴? 俺、別に何もしてないし、する気も―――」

 「なくても、モラルの問題だよ。幸人」

 都筑さんは、幸人君の反論を静かに遮る。有無を言わさないような重圧的空気に、幸人君はコクリと頷いた。

 そんな幸人君を確認し、都筑さんはユックリと、今度は私に視線を向ける。ドキッと心臓が跳ねた。

 まるで先生に怒られる、生徒みたいな気分だわ。

 「で、咲子さん」

 「はい……」

 少し顎を下げて、小さく返事をする私に、都筑さんは続ける。

 「幸人も一応は男ですから。まぁ、もう一つ付け加えておくと、幸人に関わらず、簡単に男を部屋に入れるのは、感心しませんね。それから、その逆も、いけません」

 えぇ!! だ、だって!! 

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