目をパチクリさせて、硬直する私とは反対に、都筑さんは相変わらず笑顔のまま。

 えっと……。意味が、分からないんですけど。

 「都筑、さん?」

 「はい?」

 「寝ぼけてます??」

 私は取りあえず笑って言うものの、上手く笑えず半笑いになってしまう。だって、冗談キツイ。

 都筑さんはニッコリと、笑って続けた。

 「だから、聞いてました? 『仕組まれても』って言いましたよね?」

 「はぃ?」

 「僕はね、目覚ましよりも早く起きるが習慣なんですよ。だから咲子さんが起こしに来るのを、待ってたんです。分かります?」

 え? えっと……。私は、都筑さんの言葉に目をパチパチ。

 そんな私を都筑さんはニッコリ笑顔で、見つめながら続けた。

 「寝ぼけてなんていませんよ」

 寝ぼけてなんて、いない? は?? じゃ、えっと……。なに? 『結婚』とか、本気で言ってるの?? ってことは、都筑さんは私の事が好きって事??

 都筑さんが、私を?? な、まさか!? そんな事、あるはずない。都筑さんってば、またカラかってるんだ。きっとそう……。

 だって、本気に取れるわけ無い。こんな言葉を真に受けて、喜んで私の気持ちがバレたら? 馬鹿を見るのは私よ。

 私は奥歯にギュッと力をいれると、なんでもない風に、口を開く。

 「冗談キツイです」

 「僕もこんな冗談は嫌いですね」

 は? 平然と、サラリとそう返す都筑さんに、思わず唖然。

 一瞬、間があくものの、すぐに私は反論した。

 「だったら!!」

 「だから、本気で言ってるんですよ」

 「ほ、ほほ、本気で、で、ですか!?」

 「はい。本気です」

 どもって返す私が可笑しかったのか、都筑さんはクスリと笑った。

 ちょっと待ってよ。な、何言ってるの?? 夢? これ、夢おち!? 混乱する私に、都筑さんは続けた。

 「咲子さんはね、僕の婚約者なんですよ」

 ………は? えっ?

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