ロールキャベツ男子の誘惑。
「そういえば、」
あの川沿いの道を2人で歩く途中、片桐くんが口を開いた。
「な、なんでしょう?」
相変わらずあたしはカタコトである。
「…倉木麻知花って知ってる?たしかミカコと同じクラス」
ミカコ、と呼ばれたことに胸がドキンとした。
なのに思いもよらぬ名前が飛び出したことに、あたしは嫌な予感を募らせた。
さっき保健室でみた夢…。
「倉木のこと知ってるんだ…?」
だって倉木の下の名前まで知ってる人珍しいよ?
倉木は自分の名前嫌いだから、絶対に呼ばせないし。