悪魔の軍を持つと呼ばれた僕の国において、幼い頃から戦場を駆けた、経験豊富な軍神にして、国王。
絶対にして強大。
暴君にして独裁。

父王の治世下、何百もの他民族を女子供まで殺してみせた。
そんな伝説を持つ兄が、僕の十五の誕生日、突然「王位を明け渡す」と発表した。
彼の主張は一つだけ。

「実は自分は、継承権を持たない。
正真正銘、生まれは《女》だから」

国がひっくり返る大事実。
混乱する臣下、諸国は呆れに顔をしかめて、誰も彼もが呟いた。

いやいや……あれが女?

しかも南は状勢不安、戦争は起こるわ、王位につかされた僕についても、兄の復権を願う一派から命を狙われる始末!
えぇっ?!
待ってよ、あの人たちって……!

これは多分、突如表舞台に引っ張り出され、跡目を継ぐことになった臆病者――僕【クラウス】と、傍若無人の限りを尽くして、突然「お姉さんだよ」と笑ってみせた、兄【アーデルベルト】との、誤解と再開の物語。


 

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