『仰せのままに、お嬢様』《完》
第四章

1 迫る魔の手

     ☆☆☆☆☆



それからまた、数日が過ぎた。



「そっかぁ、そんなことが。

リリカちゃんも大変だな……」


綺麗に咲いたバラの手入れを
しながら、幹生君が心配
そうに言う。


ここは温室。

今日は大学の講義が一部
休講で午前中だけだった
あたしは、午後になると
食後の散策がてら、遊びに
来たんだ。


幹生君に会うのも数日ぶり
だったから、ここ最近の
事件と、今も警戒してるって
ことを話した。

さすがに遼人さんを少し
疑ってるってことは、
言えなかったけど。


幹生君はハッと思い出した
ように手を止めて、


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