【 真実 】




あれから数日が経った。

浩介さんはいつもと変わらない笑顔で私に声をかけてくれるけど、前にも増して、仕事部屋に居る時間が多くなった。


やっぱり、色々ツラいんだと思う。
それを私に見せないようにしてるため、仕事部屋に居る。 と、そんな気がした。




「……はぁ……」




放課後の教室で、深いため息をつく。

浩介さんは、『心配かけないように』と無理して笑ってるんだと思う。
いつもと変わらない笑顔を、作ってる。

なのに私は何も言えなくて、それに合わせて笑ってるだけ……。




「……私、何も出来ないのかな」




このまま『何もなかった』かのように、浩介さんと接してくしかないのかな……。




「何も出来ない、って、なんの話?」

「あっ……直樹くん……」


イスに座ってボーッと遠くの空を眺めていた私の向かい側に、いつの間にか直樹くんが居た。

悩んでる姿を、見せてしまったらしい……。


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