氷狼―コオリオオカミ―を探して
狩りを告げる太鼓

しばらくしてイタチが一人顔を見せて、弓矢と真っ白いツナギのような服を置いて言った。


「着替えるから出てってよ」

あたしはチェイサーに言った。


「反対を向いているからさっさと着替えろ」


ああそうですか

そうよね。どうせ胸、小さいし


あたしは部屋の隅っこに行って服を着替えた。


イタチがこんな短時間でどうやって用意したのか分からないけど、服はピッタリと体に合った。


「これ何でできてるんだろ。すっごい軽くて伸びるね」


「何でできてるかなんて考えた事もないな」


チェイサーは背を向けたまま答えた。


「ねえ、あんたの着ているそのマントは何の毛皮?」


「これか? 氷狼の皮だ」


「それがそうなの。それで何匹分くらい?」


「一匹」


「一匹? でかっ!」

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