氷狼―コオリオオカミ―を探して

「ポニーくらいあるじゃん!」

あたしはぼやいた。

「もう帰りたい」


「別にあいつを捕まえろとは言っていないぞ」

チェイサーが言う。

「小さいのを一匹捕まえれば帰れる」


「小さいのぉ? それでも十分大きいよっ!」


「まあそうぼやくな、トムボーイ」

イタチが一人、氷狼をなぎ倒しながら近寄って来ると、あたしに木の棒のようなものを差し出した。


「何これ?」


「ほらこれも」


さらに手渡された小さなもの


「近頃の人の子はタバコを吸わぬのだな。火種を探すのに苦労したぞ」


――ライター??


「松明に火を点けておくれ、トムボーイ。あ奴らは太陽の火が苦手だ」


「火事にならないんでしょうね」


「我ら妖魔の技を侮るな」


イタチが咎めるように言う。
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