氷狼―コオリオオカミ―を探して
迷いの森

森林公園は入口を入ってすぐに駐車場がある。

管理棟を挟んで、駐車場の反対側が広場になっていて、夏の間は子供達が芝生の上でボール遊びをする。

管理棟の向こうはフェンスに囲まれたテニスコート。

その向こうには浅い人口池のあるアスレチック遊具があり、そこから奥は遊歩道のある森だ。


夏の間歓声が響く公園も、今は雪に埋もれ閉ざされていた。


チェイサーとあたしは、入口に張られたチェーンを乗り越えて公園に入った。


降り積もった雪の上にいくつもの動物の足跡がある。

チェイサーはしゃがんで足跡を調べた。

「わざわざ踏みならしてある」


「どっちに行ったか分かる?」


「ああ」

チェイサーは正面の遊歩道を見た。

「あっちだな――行こう」
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