群青ホームラン

┗文化祭




暫くして電話が終わり、青木はスマホを閉まった。


「ごめんね。来月の文化祭のことで」

青木の会話を聞いてたらだいたい分かるけど、何故か俺は今までにない感情と戦っていた。

なんかモヤモヤする、けど気のせいかな。


「どうしたの?」

黙っている俺の顔を青木が覗きこむ。


「いや、なんでもないよ」

何事もなかったかのように、俺はその感情を隠した。


「そういえば冴木くんの学校とうちの学校、文化祭同じ日にやるんだよね」

すごく残念そうに青木が落胆している。


文化祭……ね。

確かこの間クラスで出し物を決めてた気がする。なんだっけ?寝てたから忘れた。


「行きたかったな……。白石高校の文化祭」

「来ればいいじゃん。楽しいか分かんないけど」

「だからー。同じ日だから行けないんだって」


文化祭ってそんなに楽しいこと?俺的には苦手なイベントなんだけど。


だって他校の奴らが来るし、出し物とか正直めんどくさい。本当はサボりたいけど、そんなことをしたら竹田に怒られそう。あいつ文化祭とかすげー好きそうだし。

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