パシれメロス【短編】

任務完了?

脱柵に対する見回りも出ようとする者には厳しいが入って来る者には無警戒だ。

僕は隠れる事なく堂々と正門から帰還した。

僕らの教室のある校舎まで小走りで向かうが、その途中で出会うヤツラは一様にギョッとしたり怯えたようにしている。

何だろう?

答えはすぐに分かった。

いつの間にか真横に化け物がいたのでビビって飛び退いたら、それはガラスに映った僕自身だった。

全身ずぶ濡れであちこちにゴミをまとわりつけ、その上濡れた状態で土手に転がされたので泥だらけだ。

その姿はなんかもう墓場から甦りたてのゾンビみたいだ。

そりゃーみんな引くよね!

僕は納得してごみや泥を手で払い落としながら教室を目指した。

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