パシれメロス【短編】
まだ『サーキット』に慣れていない一年生や体力で劣る女子達を次々に抜き去り廊下を華麗に駆け抜ける。

曲がり角ではトロいヤツを弾き飛ばし、その反動を利用してスピードを殺さず曲がり、階段では一番上からためらう事なく飛び、たまたま下にいた不運なヤツをクッションにしてまた走り出す。

サーキットでは弱肉強食が暗黙の了解だ。

かつての僕がそうだったように弱者は買い物どころか購買部までたどり着く事さえできないのだ。

今では僕も(大体)毎日無傷で購買部までたどり着けるまでに成長した。

それも佐藤君がじゃんけんが強過ぎるおかげである。

そうして僕は今日も購買部までたどり着き次なる試練に立ち向かう。

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