「…………」


ツーッ、ツーッという無機質な音に変わってからも、しばらく受話器を耳から外さないまま、ぼくは心の中を必死に整理していった。


そして。


意を決し子機をスタンドに立て、出来上がったコーヒーを注いでテーブルに置く。


「……ふぅ。誰かと思えば、マスターだったよ」


ソファーにゆっくりと腰かけながら、いたってふつうに、冷静を装って声をかけた。

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