君を探して

チョコの大作戦

「まずは、“オレ”について分かったことなんだけど──」

その日の放課後、私とチョコは図書室に移動して「作戦会議」を始めた。

「今日、深月が泣いたことを知ってたって言うことは、間違いなく同級生だよね」

「うん」

今朝、私が泣いたのは教室の前の廊下。

同じ階には、私たち2年生の教室しかない。

朝のHR前という時間帯、廊下に人通りはあったけれどさほど多くはなかったし、他の学年の生徒がいれば確実に気づいていたはずだ。

この前のエリナのように……。

「あとは、当然、携帯を持ってる奴っていうことだよね」

「そうだね」

「でも今時、携帯持っていないやつの方が珍しいか……」

「うん……」

だけど、今日は緊急事態だったから仕方なかったとしても、どうして今まで一度も他の時間にメールをくれなかったんだろう?

よっぽどまじめな奴?

……そんな風には感じられなかったけど。

「ちょうどいいじゃん、明後日にしよう!」

「明後日?」

私は意味が分からなくてチョコに聞き返した。

「そう、明後日だよ!」

チョコの目がキラリと輝いた。
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