君を探して
<やばい! オレ様助けて!>

そう書いて、送信。

5分もしないうちに、返事が返ってきた。

<いきなり何事?>

パソコンをしてたの?

それとも、私にメールをしようとしていたの?

私はパソコンに向かう“オレ”の本当の姿を想像していた。


<まずいんだって。明日10日でしょ。私の前の席の子が10番だから、絶対あてられちゃうよ。オレ様、また数学教えて!>

<なに? それだけ? 助けてなんて言うから心配してやったのに>

ただそれだけなわけないじゃん……。
大事なことを聞きたいけど、はっきり聞けないんだよ……。

たて続けに“オレ”からメールが届く。

<ってゆーか、この前教えた問題は自分でやってみた? ちゃんと分かったのか?>

やったよ……。

おかげさまで、よく分かったよ……。


でも、今はそれどころじゃないんだ。

私の頭は次のメールのことでいっぱいいっぱいで、答える余裕がないんだ。
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