君を探して
そしてまた誰もいなくなったホームに、オレだけが残った。

「クサ……」

“世界で一番好きなんだ”だって?

なんなんだ……その気恥ずかしくなるセリフは。


だけどそれは、もう隠す必要のないオレの正直な気持ちだった。


「あぁー、言ってみてぇー!」


オレは空を見上げて、大きなため息をひとつ吐いた。

……深月は今頃どうしているだろう?



オレの目の前にできた白い息は、ゆっくり広がったかと思うとすぐに消えた。




そしてその奥から、綺麗な星空が顔をのぞかせた。



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