君を探して
“オレ”の正体が分かったら、相手がどんな人でも、私は嬉しいんだとばかり思っていた。

だけど。
まさかヤマタロだなんて。


意味わかんない……。



学校の門をくぐり教室へ向かう私は俯いて早足で歩いていて、まるで犯罪者が自分の気配を殺して人混みを逃亡しているみたいだ。


教室のドアを開ける瞬間は、息が止まるかと思った。

怖々とドアを開けると、目だけを動かして教室の中を見回した。

教室はすでに半数以上の席が埋まっていたが、その中にヤマタロの姿はない。


(はぁ……助かった……)

顔を上げて、大きなため息をつく。

きっと今朝も朝練なんだよね。


ずっと俯いて歩いていたので、首が凝ってしまっていた。

もうすでに疲労困憊。

我ながら、往生際が悪いというか何というか……。


私はヨロヨロと自分の席に着いた。

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