シーラカンスの唄

□□



「早いな…。」

外に出ると本当に翔はそこに居た。

「あの…。」

言いたい事がたくさんあって…言葉に詰まる。
どう言葉にすればいいかも解らなかった。

「ちょっと歩こう。」

私の言葉を遮って、翔は笑顔を見せた。
いつも、笑顔なんて見せないのに。


二人で近所の公園を歩く。
夜だから子どもたちもいない。
真上で星が優しく光っていた。

二人で歩く。
それがこんなに幸せな事だって、前は知らなかった。

「あのさ…。」

それまで黙っていた翔がぽつんと話し始めた。

「ずっと考えてたんだ。」

「…何を?」

「いつ言い出そうかな…って。」

「?」

翔は一呼吸置いて、立ち止まって私を見た。

「嫁、来る?」


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