三度目のキスをしたらサヨナラ
ゲームをしよう
彼は、私とウーさんの視線に少し緊張しながら言った。

「あ……えーと、その……店の外を歩いてたら、綺麗な長い髪が見えたから、つい」

「……うん……」

その緊張は見事に私に伝染した。

なんだか、うまく返事を返せない。

そんな私たちの様子を見ていたウーさんは、無言で席を立つと、そのまま空いた2つのグラスを持って厨房へ戻っていった。

「試験はどうだった?」

「ばっちり!……まぁ、今更合格しても手遅れだけどね」

「……次の試験はいつ?」

「明後日だよ」

彼は立ったまま、少しそわそわしながら、話を続けた。

「えーと。今から時間ある?」

「うん……」

「よかったら、これから何かおいしいもの食べに行かない?」

その言葉に反応して、厨房からウーさんの大きな声がした。

「おい!! それは俺にケンカを売ってるのか?」

私たちは顔を見合わせて笑った。

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