V系メンズに恋してる
仮4
あれから私は何度も抵抗し続けたが、麗は沈黙し無表情のままだ。

高層マンションの14階でエレベーターを降り、ドアを開けて玄関に入ると、ようやく手が離された。


『ちょっと!ここどこ!?帰してよ!』


『俺ん家。帰さない』


私を見ずに言った。


『私をどうするつもり!?答えなさいよ!』


麗は溜め息を付いて私の手をグッと引っ張った。


『キャッ』


バランスを崩して倒れそうになった私を麗は抱き締めた。


『は、離してッ。警察に…』


『少し黙れよ…』


そう言って麗は顔を近付ける。その後すぐに唇が重なった。


私は驚きと動揺で抵抗する事を忘れた。
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