Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~

子供たち

学校を休学してからも一応勉強はしているが、1人で参考書を見ながらする勉強にも限界はあるし、やる気も続かない。


授業で使ったプリントなどは、担任の先生がお見舞いがてらちょくちょく持って来てくれる。



「こんなにごちゃごちゃ難しいこと頭に詰め込んで、大人になって本当に使うのかな…」



数学だって、こんな難しい数式普段の生活では絶対使わないと思う。


疑問に思っているのは数学だけじゃないけど、言い挙げていけばきりがない。



「まぁいいや…このプリントが終わったら今日はもうお終いにしよぉっと」



入院するようになって独り言が増えたような気がする。


傍に話す相手がいないからって、一日黙ってるなんて私には無理そう。



「あっ……」



しっかり握ったはずのシャーペンを手が滑ったのか床に落としてしまった。


違う…手が滑ったんじゃなくて、震えてるから…落としたんだ……。


病状が悪化している証拠。


私は落ちたシャーペンをただ見詰め、思ったよりもショックが大きかったのか、暫く拾うことができなかった。






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