学園奉仕活動
「こら!聞いてんのけぇ!百太郎っ!」



「うぉっ!・・・・・・あ、ああ、はい・・・・・」



やべえ、驚くほど聞いてない自分が居た・・・・・・・


今、担任の説教真っ最中だったんだよな・・・・・


一応聞いてるフリしねえと。



俺は少し悲しげな表情を作り、目の前に立っている、白いTシャツに黒のジャージという姿の、小太りで背の低い中年オヤジに目を向けた。



が、しかし


「ほんとに聞いてたのけぇ?」


と、中年オヤジは方眉を吊り上げ、顎を撫でながら疑いの視線をガンガン向けてくる。



「い、いや、聞いてましたよっ。し、失礼だなっ」



「ん〜〜?」



くっ、くそっ、なんか言えよっ!唸るだけとかそんな・・・・・・ひ、卑怯だ!!



「い、嫌だな〜じろさん。俺が、説教も聞けないバカ野郎とでも言うんですか?」


「うん。バカ野郎でぇ、お前は」



「い、いや、うんとか言われたら元もこも――――」



「ぬぁ〜〜もういい。続きは放課後だ。他のバカ二人連れて職員室に来い」



「えっ、いやっ、放課後は嫌っ――――てか、バカ二人?」


「放課後に職員室だ!わかったなっ!」


中年オヤジの担任は、問い掛ける俺を無視し、それだけ言うと廊下を足早に進んで角へと消え、俺だけがこの場に残されてしまった。



「馬鹿二人って・・・・・・・奴等のことか・・・・・・?」


だよな?それしかねえよな?

だがしかし・・・・・・・


またなんかやらかしたっけな?


「う〜〜ん・・・・・・・」


とりあえず俺は、あれこれ考えながらも、教室に向かうべく歩き出した。





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