♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
第三章 初恋の行方
修学旅行が終わって、またいつもの授業が始まる。

新しいクラスは、あたしにとって居心地が悪い場所になってしまった。



唯香ちゃんは、あれから一度も口をきいてくれない。

当たり前だ…

あたしが悪いんだから。



あたしは、体育館の片隅に一人でポツンと立っていた。

今日の体育は、バレーボール。

向こう側のコートで試合している男子の姿を、ぼんやり眺めていた。

あたしの足元に、ボールがコロコロ転がってくる。

あたしは、両手でボールを拾い上げた。



「唯香ちゃん…」

少し距離を置いた所で、立ち止まる唯香ちゃん。

あたしは笑顔を作って、彼女にボールを差し出す。

唯香ちゃんは無言でボールを受け取ると、フンと顔を背けて行ってしまった。



やっぱり…

あたしは嫌われてるらしい。
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