♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
第四章 初めての涙
涙をこらえて、全力で廊下を走る。



あんなやつ、もういらない。

いつだってそう…

あんたの気持ちが、あたしにはわからない。



それでも、あたしに向けられた優しさは嘘じゃなかったと信じたい。



あたしの視界が、どんどんぼやけていく。

涙がこぼれないように、ギュッと目を閉じた。



あたしの肩が、ドンと誰かにぶつかる。

ハッと目を開けて、顔を上げるあたし。



「みぃちゃん」

「健太…」

動揺したあたしの目が、微かに泳ぐ。



今は、誰にも会いたくない。

あたしは、空いていた進路指導室に駆け込んだ。
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