お嬢様の秘密

急すぎる話

「えっ....!」


私たちはローゼ様の誘導で、ある家に着いたんだけど....。


家がでかい!


実のところ私の家はおんぼろアパートに住んでたくらい貧乏。


そのため家から比較的距離が近い進学校を選んで受験した。


だからこんなでかいうちなんて縁がない。


たった今見た家は...。


一言で言うと.....宮殿。


家っていう言葉は合わないな....屋敷っていう方がしっくりくる。


外見は本で出てきそうなお城みたいな感じ。


家の中心に立派な玄関があるし.....。


庭は一般的な学校の校庭より広いんじゃないかと思うほど。


貧乏人にはこんな感覚。


もうちょっと裕福だったらこんな感想は出ないのかもね。


「ロ....ローゼ様....。」


「こんな家、初めて見たでしょ?」


ローゼ様は面白いものを見たような顔をして私を見た。


何で.....??


夏菜の方をちらっと見たら、全然驚いてない様子。


そりゃそうだよね...。


夏菜の家もかなり広いしね...。


最近は行ってないけど。



「国松さん...質問させていただきますね。この家はどなたの家でしょうか?」


「私に対する話し方はそんな敬語じゃなくてもよろしいですよ。まあそのうち慣れていただけると思いますが。私からはこの質問にお答えすることはできません。」


「そうですか...。」


というか今思ったんだけど...。


玄関まで車で移動しちゃってる.....。


ローゼ様はもうすでに玄関の扉を開けて中へ入ろうとしていた。


やっぱ金持ちはこんな家に慣れてるんだ....。


私たち3人は一斉に扉の前に立った。


手をかけようとしたとき、国松さんが扉を開いてくれた。


とてもズシッとした、重みがあるドア。


どんな家なんだろう.....。

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