Tricksters
ゴールドとシルバーがレア色だ



────俺がトリックスターズ社内に戻ると

今日から発売される新商品『びっくりもっぷ』の試作品を囲んでの会議が開かれていた。

全課の皆で棒を振ったりしながら試作品の出来栄えを試している。


その輪の中には、アイツもいて
楽しそうな笑い声をあげていた。


「おい、淳一!
このオマケのもっぷちゃんストラップ一個やるよ!」


小さなビニール袋に入った、オマケのストラップは本品を買うとついてくる。

放り投げられた袋をキャッチすると、アイツは満足そうに笑った。




このストラップは、一つの商品として販売しようと考えていたものだけど“オマケ"すると決めた。


一つの商品をトリックスターズでは、皆が意見出し合って作りあげていく。

その輪の中に、突然掃除のおばちゃんが乱入して来て「こんな値段じゃ誰も買わないわよー」といってたり。

その意見を一番大切にするのは、いつもアイツだった。




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