Tricksters
大人キッス、徹底究明


所長が、『やる』と言ったら絶対やるらしい。

今夜は、マジで俺の新居で歓迎会を開かれることになってしまった。



「……おおっ! すごいなっ!

ユカリ見たことあるか? これが、ちゃぶ台ってヤツだ!

これが、レトロモダンなちゃぶ台っ!

お父さんが、ひっくり返すやつだろ?」


所長は、俺の部屋に入るなり広々としたマンションの一室に置かれた家具に興味深々と目を輝かせた。

ここの五分の一程度のアパートから持ってきた家具だから、仕方ねーだろ?

どうせなら、家具付きマンションにしてくれよ!



「アイツ、日本人じゃないのかよ? ユカリさん」

「やだ、淳一くん『善太郎』って名前の外国人いたらドン引きよ」


ユカリさんが、フフフと笑うと一瞬所長のテンションが急降下した。

目が虚ろになったまま、勝手に寝室のドアを開ける。


「ふざけんな! 勝手にドア開けるんじゃねーよ!」


俺は、日中体感した恐怖体験から『善太郎』とは呼べなかったけど

寝室のドアをいきなり開けられたら、黙っちゃいれねー!


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