運命に導かれて


ルカはそんな羽衣の姿にクスリと笑みをこぼすと



「まだ寝てろ。どうせここに来てからまともに眠れなかったんだろ。また様子見に来る。」


今まで繋がれていた手で頭をポンポンと撫でると部屋を出ていった。



羽衣はルカが出ていった扉を見つめて呆然とする。



どうしてルカと手を繋いで眠っていたのか理由もわからなければ


あんなに自分を嫌っていたのに久しぶりに顔を合わせたと思えば笑みまでこぼしていた。



もしかしたらまだ夢の中にいるのかもしれない。


羽衣は理解し難い状況からも目を瞑るべく再びベッドへと身を沈めた。








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