わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
「何、バカなこと言ってるの!」

お母さんは突然、ぷつんと糸が切れたように叫んだ。

「由衣は、まだ高校生なのよ!産むなんて、無理に決まってるじゃないの!」



「無理なんて、決め付けないでよ!」

わたしも叫んだ。

「高校はやめる。晃司くんと一緒に働きながら、赤ちゃんを育てていくの!」



「由衣にはちゃんと高校を卒業して、そのあとは大学に行って、将来は就職して、ちゃんとした人生を歩んでほしいの。
だから産むことには、絶対に反対よ!何があっても認めない!」



「勝手にわたしの人生決めないでよ!ちゃんとした人生なんて、お母さんが勝手に決めた人生じゃない!
赤ちゃんを産んで育てることだって、立派な人生よ!わたしは産むって決めたの。赤ちゃんと晃司くんと三人で生きていくの!」




もはやわたしたちの会話は話し合いではなく、言い合いのようになっていた。


お互いに自分の意見をぶつけあう。


わたしたちの声を聞きつけたのか、会社から帰ってきたばかりのお父さんが部屋に入ってきた。



< 61 / 126 >

この作品をシェア

pagetop