わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
7駆け落ち
高校の昼休み。


落ち込んでいると、美里と梓がわたしのところにやってきた。


二人はいつもわたしのことを、気にかけてくれている。




「まだ親に許してもらえてないの?」

梓はたずねた。



「うん・・・。」

わたしは暗い表情でうなずいた。



「由衣、諦めないでね。わたし、由衣のこと、応援してるから。絶対に後悔してほしくないの・・・。晃司くんと赤ちゃんと三人で幸せになってほしいの・・・。だから・・・。」

美里はそう言うと、わたしの手を取って握った。



「うん、ありがとう!」

わたしは美里に向かって微笑んだ。



美里も微笑み返した。


けれどもわたしはその時、美里の微笑みの奥に、深い悲しみがあることに気づいた。



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