わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
そういえば・・・、美里はわたしの体調が悪いときに、すぐに妊娠に気づいた・・・。


普通の人なら、気づかない小さな変化を見逃さなかった。


あの時美里から言われなければ、わたしは妊娠に気づかないまま、ただ生理不順になっただけだと思っていたかもしれない・・・。



美里は・・・、前に妊娠したことがあるのだろう・・・。


美里の心の奥にある深い悲しみ・・・。


美里はかつて、悲しい選択をしなければならなかったのだろう・・・。





しかしわたしは、あえて美里にそのことをたずねようとはしなかった。


いつか時が来れば、美里の方から話してくれるかもしれない。


その時は、美里の話をすべて聞こう。


わたしには何もできないかもしれないけれど、せめて美里の心が少しでも安らぐように・・・。
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