Platinum Kingdom【完全完結】
「更紗さん」
お祖母様の声が扉の外から聞こえた。
…えっ、
…何でお祖母様がここにいるの…!?
私は動揺しながらも、
「はい、今開けます」
となんとか返事をした。
…あ、ヤバイ。
寝間着のままだよ…。
まぁ、いっか。
扉を開けると、
「…まだそんな格好をしているのですか。みっともない」
やっぱり…。
「すみません…」
「昨夜、寝られなかったんでしょう」
「え…何で…」
「うっすらと隈ができていますよ」
お祖母様に言われて私は鏡を見ると、
「あ…っ、ヤバイ!」
そんな情けない声を出していた。
「…それくらいの隈など、メイクでどうにかなります。
だから静かになさい」
大人な対応のお祖母様に心底尊敬する。
私には一生掛かってもそんな大人な対応は出来ないだろうな。