Platinum Kingdom【完全完結】
□The end of an arranged marriage.
▼自分で切り開くもの
――――――それから2日後。
私は学校へ行っていた。
「おはようございます、白蕗様」
「御機嫌よう」
「御機嫌麗しゅう、白蕗さん」
「御機嫌よう、伊集院さん」
『御機嫌よう』とか、『白蕗様』やら。
堅っ苦しい挨拶から始まるのは日常。
こういうとき、やっぱり普通の高校に行けばよかったと思う。
『白蕗様』と呼ぶ人は、取引先の御曹司やら令嬢やら。
「更紗!」
そんな中でも、親友と呼べる友達くらいはいる。
「マリナ!」
神戸 麻里奈【かんべ まりな】
神戸製薬の社長令嬢で、私とは幼稚園以来の大親友。
「ショートカットにしたの?」
「うん!よくない?」
「うん!似合ってる!」
前は茶髪にセミロングで、セミロングもすごく似合っていたマリナだけど、ショートカットもすごく似合っていた。
「私も切ろうかなぁ…」
「えぇっ!それはダメ!」
「えっ、」
マリナからダメと言われたことにちょっとショックを受ける私。
「や、あのね…」
「ううん、フォローはいいよ…」
「いやいや…だって折角綺麗なのに…」
「いやいや…」
私は背中くらいまでの黒髪ロング。
すごく頑張って伸ばした…というわけではなく幼いころからずっとこの髪型なので、
あまり長さを変えないから、元々、と言ったほうが正しい。
「更紗は長いほうが似合うよ」
「…そう、かな?ありがとう」
そして私たちは校内に入った。