彼を捕まえろ!〜俺様男はハート泥棒〜
距離
「え、浬世也が?」
「うん…」
そう言って優ちゃんはシュンとして下を俯く
私は浬世也とあの日から会っていない
多分、避けられてるんだと思う
「女の子と手を繋いで歩いてた…」
だけど別段どうするでもなく放置していた
だってただの姉弟ケンカのつもりでいたから
浬世也がそのうち機嫌を直してヒョッコリ現れる
それぐらいにしか思っていなかった
「見間違いじゃない?」
「あたしが浬ぃくん見間違う訳ないでしょ」
確かに…
好きな人を見間違うなんてまずないよね
優ちゃんはすごく沈んだ顔をしている
浬世也…
何考えてるの?
「浬ぃくんも片想いが辛いんだと思う」