極悪彼氏
割れたガラスと兄貴の意志
【夢羽】



ゴールデンウィーク、初めてコタローの家に泊まった。



ムリ。



あたし、もうムリ!!



散々『俺のもんだ』とか私物のように扱われてたけど!!



『好きになれよ』は反則だから!!



あのコタローにそんなこと言われて好きにならないわけないでしょ!?



彼女がいるくせに…。



あたしにばっかり…構わないでよ…。



「ムー?」

「なに!?」

「さっきから上の空」

「もしかして何か言った!?」

「だから、それ食わねぇなら食っていいかって」

「卵焼き?もうカケルにあげる…」

「マジで!?超ありがてぇ~!!」



現在、カケルとランチ中。



どうやら日に日に傷が増えるあたしを不憫に思ったゲンさんからの指示らしい。



カケルが一緒にいてくれるのは正直心強い。



「ハァ…」

「なんだよ、コイワズライか?」

「その頭で恋とか言わないで」

「頭関係ねぇだろ!!この頭はな、小田切さんがほめてくれたんだぞ!!俺に似合うって!!」



信じらんない…。



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