久しぶりに見た夫の顔を、私はすっかり忘れていた。

私に夫はいないものだと思っていたから、夫の存在自体をすっかり忘れていた。

「何しにきたの?」

久しぶりの夫に、私は尋ねた。

「何しにって…。

やり直しにきたんだ」

そう言った夫に、
「あらそう」

私は息を吐いた後、パスポートを取りに行こうと足を寝室に向けた。

確か、パスポートは寝室の引き出しにあったはずだ。

「ま、待ってくれ」

そう言った夫に、
「何よ」

私は夫に視線を向けた。

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