カナリア鳴く空

4.5

誠司さんと結ばれた。

それだけでもう、嬉しくて仕方がない。

誠司さんの気持ちが、わたしと一緒だったことが嬉しくて。

わたしはもう、死んでもいいって思った。


「その優衣ちゃんは…私のこと、どう思ってるんだ?」

夕食後の皿洗いをしていた時、誠司さんが突然言った。

どうしてそんなこと聞いたのだろう?

彼の質問の真意がわかんないけど、私は答えることにする。

「いいお父さんだなって思います」

私は質問に答えた。

ウソだ。

わたしは、あなたを父親として思ったことがない。

でも、自分の気持ちを言う訳にも行かない。
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