片想
・ 恐怖


雨がしとしと降り続ける。

朝からそんな天気。

憂鬱になる。


雨だけならここまでも憂鬱にならなかったのに。

こんなにもなるのは。

そう、
和水チーフがアタシに気遣ったから。


何気ないアタシだけへの気遣いなら天にものぼるような、
そんな嬉しさでいっぱいになるのに。

それだけで
1日幸せで過ごせるのに。


「これから宮垣といろいろ仕事をしてもらう機会もできるだろうから。
親睦を深めるために3人で食事でもどうかな?」


…そんな気遣い、
いらない。


< 88 / 244 >

この作品をシェア

pagetop