オレはそんな彼女に恋をした    ~地獄鬼の襲来!~ [完]
1限目 ばれちゃいました!?

『きゃー、燐ク~ン』

『こっちむいてぇ~』


学園中の女子の声が朝から廊下に響き渡った


女子が声をかけるその主は綺麗に笑顔を見せいている

高校男子にして襟足が少し長い髪を一つに結ったウルフヘアの青みがかった黒の髪は彼の魅力を引き立てているうえに、この人物はきれいな顔立ちをしていた


(あぁ、うるさいなぁ。女子ってなんでこんなんうるさいねん)



表は笑顔でもそれは今まで作り上げた偽りのもの

いつものように偽りの笑顔を見せながら内心、桜獅燐(サクシリン)は悪態をついていた



「おーい燐!!相変わらずモテモテだな♪」



そんな燐に親しげに話しかける茶髪の少しチャラい男子。

燐の親友、相川卓(アイカワスグル)は朝からテンションが高い



『きゃーー!燐君と卓君のツーショット!!』



周りの女子が卓の登場に騒ぐ。

卓もまた学園内で人気のなる男子だ

そんな中燐は笑顔を保ちつつ卓に答えた



「そうでもないよ。卓こそ今日もモテモテだね」

「いやぁ~なんたって表でわ王子キャラで完ペキだもんなぁ~。」



にやりと意味ありげに笑みを見せる卓に燐は内心舌打ちをし、目の笑っていない上辺だけの笑顔を見せた

あくまでも周りにばれないように燐はいつも道理のペースで返す



「喧嘩売ってるの?」



燐は標準語の王子のような完璧な性格を持つ表の姿と、関西弁と標準語の混じる話し方に表とは全然違うような性格を持つ裏の姿の二つを有していた

これを知る者はあまりいないが親友である卓はそれももちろん知る一人だ



(卓のやつ・・・またばれへんとこぎりぎりで話してくる。
 ったく、ばれたらどうしてくれるきや
 それにあの楽しげににやけてるあの顔、まじでイラつく)


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