「ねぇねぇ、当たった!?」

教室に入ると、突然、友人の朱美が声をかけてきた。

「当たったって…なにが?」

私がきょとんとした顔で聞くと、朱美はぷぅっと頬を膨らませた。

「もう、わかってるでしょ?ムスカの招待券!当たった!?」

言われて、あぁ、と思い出す。

「いや、当たんなかったけど」

言うと朱美は、驚いた顔をした。

「え、うそ!?葵もダメだったの!?」

朱美に言われて、やっぱりな、と思った。

「そうなんだ…やっぱ、そう簡単には当たんないんだって」

あはは、と笑うと、残念そうに朱美は項垂れた。

「あーぁ…葵、くじ運とかそういうの、昔っからよかったじゃん?だから絶対、今回のチケットは当たってると思ったのになぁ~」

「まぁまぁ…あ、ほら、先生きたよ」

そう言って、入口のドアを指さすと、丁度白髪交じりのよぼよぼとした足取りの先生が入ってきた。






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