もらう愛=捧げる愛
「さぁ、今日で休みも終わりだ。はずしてやるよ」


「…ハイ」


「初音、もうオレから離れられないだろ?」


「…ハイ」


「オレの事、アイシテルだろ?」


「…ハイ」


「いい子だ。送ってくよ」


「…ハイ」


涙も出ず、渇いた口は何も受け付けない。


水すら飲む事ができなくて、多田さんの口移しで少しの水分を摂る。


服も自分で着られず、多田さんの手を借りた。


靴も履けず、裸足で外へ出た。


何日ぶりかにやっと戻ったアパートの中で。


あたしは泥のように眠った…。
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