「おはようございます」


消毒液の匂いの漂う廊下で交わす挨拶をくぐり、あたしはダル重い体を引きずり、女子更衣室へ入る。


「あ、初音オハヨー」


「ん…友莉。オハヨ」


「アララ。いつになく腰が重そうだね?」


呆れた顔であたしをこづくのは、この病院に勤務して以来の親友、碓井 友莉(うすい ゆり)。


「夕べは誰だったか、当ててあげようか?」


いたずらっぽい笑顔を向けて、友莉が周りを気遣ってこっそりあたしに耳打ちする。


「薬局の多田さんでしょ?」


「ご名答」


このコンシーラーでも隠せない目の下のクマを見れば、友莉にはモロバレ。


モソモソと制服に着替えたあたしを待って、友莉は


「トイレ、行こ?」


と、いつものようにあたしを誘う。

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