もらう愛=捧げる愛
いつものあたしって、どうだっただろ…。


星野課長、多田さん、堤さん、その他の男の人達…あたしは何かしらニャンニャンしゃべってた気がする。


例えば…車を褒めてあげるとか、仕事ぶりの評判だとか、どれも男の人の虚栄心を満足させてあげるようなおべんちゃら。


だけど、ハルくんにはそんな事言う必要がないように思えた。


ううん。


言えば見え透いたおべんちゃらに呆れられるような気がした。


軽い女、って。


ハルくんだけには思われたくなくて。


イルミネーションのチラつく街の景色を、黙って助手席の窓から眺めていた。


街中のパーキングに車を停め、少し歩く。


ハルくんの半歩後ろ、アスファルトをたたくパンプスの音だけが、あたしを現実につなぎ止める唯一の助け。
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