もらう愛=捧げる愛
痛む体をひきずりながら出勤。


「おはよう、初音」


「友莉…。おはよう…」


「どうしたの?元気ないね?」


「うん…。大した事じゃないの」


更衣室のロッカーの扉で壁を作り、まだ赤く腫れた多田さんの噛み痕を隠しながら急いで制服に着替える。


「ヤ…。ちょっと初音、どうしたの?」


体の赤い斑点を見た友莉は、ただ目を丸くする。


「うん…。ちょっと、ね…」


着替え終えたあたしと友莉はトイレへ。


別れてくれない多田さんの“支配”をあたしは淡々と話した。
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