使者の黙示録
占い師は、意識を心に集中させる。

彼女の心の目が、探そうとする人物を瞬時に捉える。

思ったよりも簡単に見つかったのは

その人物が発散しているオーラが、ふつうの人たちとは全然ちがうからだ。

彼女が心で感じる、そのオーラは

とてもまばゆく光輝き、また圧力を感じるほどに力強い。

これほど強烈なオーラに出会ったのは初めてだ。


占い師は、己の意識を自分の心から切り離す。

そのとき、彼女の目に飛び込んできたのは

見るからに独身で無職だと思われる、1人の痩せこけた男だった。


占い師の顔に、驚きと困惑の想いが浮かび上がる。

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